切らない眼瞼下垂手術とは?経結膜法の適応と限界を眼形成外科が解説

「眼瞼下垂〈がんけんかすい〉を治療したいけれど、まぶたに傷が残るのが心配」「切らない方法なら負担を抑えられるのでは」と考える方もいらっしゃるでしょう。

切らない眼瞼下垂手術は、一般に皮膚を切開せずに行う手術を指します。ただし、まぶたの内側でも何も切らないとは限らず、同じ呼び方でも処置の内容は異なります。皮膚のたるみやまぶたを上げる力によっては、皮膚側からの手術が適しています。

この記事では、まぶたの裏側から行う経結膜〈けいけつまく〉アプローチを中心に、手術の仕組み、適応と限界、診察で確かめたいことを解説します。

オキュロフェイシャルクリニック福岡の眼瞼下垂診療の特徴

オキュロフェイシャルクリニック福岡の眼瞼下垂診療の特徴

  • 両目の開きと形のバランスを踏まえた手術
  • 眼形成領域を専門とする医師が原因に応じた術式を選択
  • グループ5院で年間12,086件の眼形成手術実績(2025年)
  • 他院で受けた眼瞼下垂手術・二重手術などの修正手術に対応
 菊地 良

オキュロフェイシャルクリニック福岡 院長

菊地 良

眼形成眼窩外科は専門医が少なく、診療体系も十分に確立されていない分野です。私は鹿嶋友敬先生に師事し、これまで5,000件以上の手術を執刀してきました。国内外の学会で知識をアップデートし、亀田総合病院では眼形成外来の立ち上げにも携わってきました。この度、福岡にて診療を開始し、九州エリアにおける専門医療の発展と、患者様一人ひとりに寄り添った最善の治療を提供してまいります。

最後の砦である自負があるからこそ、最初に当院のドアを叩いていただきたい。

目元の専門医による診察をご希望の方へ

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「切らない眼瞼下垂手術」と経結膜法はどういう意味?

「切らない」眼瞼下垂手術の「切らない」とは

「切らない」という言葉だけでは、手術の内容まではわかりません。どこから手術するかという「入り口」と、どの組織に何をするかという「術式」を分けて理解しましょう。

皮膚を切らなくても、まぶたの裏側を処置する

まぶたの裏側は結膜〈けつまく〉という粘膜で覆われています。経結膜アプローチは、この裏側からまぶたの内部に到達する方法です。皮膚を切開する傷が表面にできない点が特徴ですが、術式によって結膜を切開したり、組織の一部を切除したりします。

「切らない」は「手術をしない」「傷や腫れがまったく生じない」という意味ではありません。外から見える傷を抑えたいという希望は大切にしながらも、内側で行う処置と、それに伴う負担まで確認する必要があります。

経結膜法・MMCR・糸で縫い縮める方法は同じではない

経結膜法は手術の入り口を示す呼び方です。MMCR〈エムエムシーアール〉は、ミュラー筋というまぶたの開きを補助する筋肉と結膜の一部を切除する、具体的な術式を指します。

一方、糸で組織を縫い縮めて固定する方法や、まぶたを上げる筋肉の力を伝える挙筋腱膜〈きょきんけんまく〉を裏側から前方へ移して固定する方法もあります。したがって、「裏側から手術する」という説明だけでMMCRや糸の埋没による方法だと判断することはできません。処置する組織と方法によって、適応や注意点も変わります。

二重埋没法や点眼治療との違い

二重埋没法〈ふたえまいぼつほう〉は、糸で二重の折り込みをつくる手術です。眼瞼下垂手術はまぶたの開きを改善するために行うため、目的も処置する部分も異なります。二重の線をつけるだけでは、腱膜のゆるみなどによる開きにくさが改善しない場合があります。

また、成人の後天性眼瞼下垂には、国内で承認されたオキシメタゾリンの点眼薬があります。筋肉に作用してまぶたを上げる薬ですが、ゆるんだ腱膜を縫い直したり、余った皮膚を取り除いたりする治療ではありません。適応や効果の確認が必要で、手術と同じ変化を得られるとは限りません。

経結膜アプローチが選択肢になるのはどのような状態?

まぶたの状態に合わせて変わる眼瞼下垂手術

経結膜アプローチを検討する際は、目の開きの程度だけでなく、原因、筋肉の動き、皮膚や二重の状態を組み合わせて判断します。見た目が軽い下垂でも、必ず適しているわけではありません。

まぶたを上げる力と下垂の原因を確認する

診察では、まぶたの高さと、まぶたを持ち上げる筋肉の動きを確認します。腱膜がゆるんでいても筋肉の力が保たれている状態と、筋肉自体の力が弱い状態では、必要な処置が異なるためです。神経や筋肉の病気が原因であれば、まず原因の病気への対応を検討します。

経結膜アプローチには、挙筋機能〈きょきんきのう〉が保たれていることなどを条件に選ぶ術式があります。さらにドライアイ、目の閉じやすさ、過去の手術歴も評価します。点眼への反応を判断材料にする術式もありますが、すべての経結膜手術に共通する必須条件ではありません。

1
皮膚の余りや眉の下がり方を確認する

まぶたが重く感じられる原因は、まぶたの縁が下がることだけではありません。余った皮膚がかぶさっていたり、眉が下がって皮膚を押し下げていたりする場合もあります。

裏側からまぶたの開きを調整しても、それだけで余分な皮膚を取り除くことはできません。皮膚のたるみが強い方では、皮膚側からの手術や、必要に応じた別の処置を検討します。ご自身では筋肉と皮膚のどちらが原因かわかりにくいため、「重いから切らない手術が合う」と決めつけずに診察を受けましょう。

2
二重の形や希望する変化との相性を確認する

皮膚のたるみが少なく、もともとの二重の線を大きく変える必要がない場合には、裏側からの手術を検討しやすくなります。ただし、二重があるだけで適応が決まるわけではありません。

一重や狭い奥二重、三重の線などがあり、皮膚のかぶさりや二重の形も整える必要がある場合は、皮膚側からの処置が適していることがあります。「開きだけを変えたい」「今の二重を残したい」といった希望を伝え、どこまで対応できるかを確認してください。希望する形と、無理なく目を閉じられる範囲の両方を考えることが大切です。

3

皮膚側からの手術と比べた特徴・限界

眼瞼下垂手術のリスク

外から見える傷と、対応できる皮膚のたるみの違い

皮膚側からの手術では、二重の線などに沿って切開し、必要な組織を確認しながら処置します。傷は時間とともに目立ちにくくなりますが、完全に消えるわけではありません。経結膜アプローチには皮膚切開を避けられる利点がある一方、皮膚のたるみへの対応は別に考えます。

比較する点皮膚側からの手術経結膜アプローチの手術
手術の入り口まぶたの皮膚を切開しますまぶたの裏側から処置します
皮膚の傷切開の傷あとは生じますが、二重のラインに隠れるようデザインするため、
術後はほとんど目立ちません。
単独で行う場合、
皮膚切開の傷を避けられます
皮膚のたるみ必要に応じて皮膚切除を組み合わせます単独では余った皮膚を取り除けません
実際の処置腱膜前転など、原因に応じて選びますMMCRや腱膜への処置など、
術式によって異なります

後戻り・左右差・乾燥などのリスクはある

切らない方法でも、上がり方の不足、上がりすぎ、左右差、再び下がること、出血や感染などが起こり得ます。経過は術式や元の状態によって異なり、経結膜アプローチ全体を「必ず戻りやすい」と一括りにはできません。

上がりすぎなどで目を閉じにくくなると、乾燥や角膜への負担につながります。また、糸が結膜側に露出すると角膜にこすれ、傷をつけることがあります。ゴロゴロ感、痛み、充血が続く場合は受診し、原因に応じて点眼、糸の処置、再調整などを検討します。腫れによる一時的な左右差と、処置が必要な問題を診察で見分けることが大切です。

抜糸や回復期間は術式と糸の扱いで変わる

「切らない手術だから抜糸はいらない」とは限りません。糸の種類や通し方によって扱いが変わるため、予定される術式で抜糸が必要か、いつ再診するかを事前に確認します。抜糸が不要な場合も、経過を確認する通院は必要です。

術後は腫れ、内出血、異物感などが出ることがあります。仕事やメイク、コンタクトレンズの再開時期は、手術の内容と回復状況に応じた指示に従ってください。強い痛み、急な見えにくさ、急速に増す腫れがある場合は、次の予約日を待たず直ちに手術を受けた医療機関へ連絡し、つながらない場合は救急で受診してください。

自分に合う方法を選ぶために確認したいこと

自分に合う方法を選ぶための3つの確認事項

手術名や傷の有無だけで決めず、診断から術後の対応まで説明を受けましょう。次の点を確認すると、ご自身に必要な治療を整理しやすくなります。

正式な術式名と、どこをどう処置するかを聞く

診察では、「切らない方法です」という説明に加えて、正式な術式名、処置する組織、切除するのか縫い縮めるのか、糸をどこに残すのかを確認しましょう。抜糸の有無や、皮膚のたるみに別の処置が必要かどうかも、生活の予定を考えるうえで役立ちます。

皮膚側からの手術を提案された場合は、その理由も聞いてください。必要な処置を避けることで改善が不十分になる場合があります。利点だけでなく、残り得る症状や形の変化まで理解してから選ぶことが大切です。

Point 1
切らない眼瞼下垂の「名医」を探すときは説明内容を確認する

「切らない眼瞼下垂の名医」という言葉を手がかりに探す場合も、その評価だけで判断せず、眼瞼下垂治療の経験と診察内容を確認しましょう。ご自身への適応を説明し、必要に応じて皮膚側からの方法も提案できることが大切です。

  • 下垂の原因と、この方法を勧める理由を説明しているか
  • 改善できることと、残る可能性のある症状を説明しているか
  • 二重の形や左右差について希望をすり合わせられるか
Point 2
術後の診察やトラブル時の対応を確認する

手術を受ける前に、術後の診察時期や通院回数の目安、気になる症状が出たときの連絡先を確認しておきましょう。診療時間外の相談方法も聞いておくと、術後の不安に備えやすくなります。

また、仕上がりの左右差や開きにくさが残った場合に、どのように経過を確認し、再調整を検討するのかも大切な確認事項です。追加の処置にかかる費用や対応条件も含めて説明を受け、納得したうえで治療を選びましょう。

Point 3

オキュロフェイシャルクリニック福岡の眼瞼下垂手術の特徴

オキュロフェイシャルクリニック福岡の眼瞼下垂手術の特徴

当院では、まぶたの原因と状態を診察し、開きやすさと形の両面を考えて治療をご提案します。切らないことだけを優先せず、必要な処置を検討します。

基本的に両眼を手術し、左右のバランスを考える

当院の眼瞼下垂手術は、基本的に両眼を対象に行います。片方の下がりが気になる場合も、左右それぞれの開きや二重の形、眉の位置を確認して手術を考えます。

見え方の不自由さに加え、左右で気になる違いも診察時にお伝えください。元の骨格やまぶたの状態にも左右差があるため、両眼の手術を行っても完全な左右対称を保証するものではありません。

Point 1
状態に応じた術式で、機能と形の両方に配慮する

当院では、腱膜性眼瞼下垂に対して、皮膚側から切開して腱膜のゆるみを修復する手術を主軸とし、必要に応じて皮膚のたるみにも対応します。皮膚を切開せず裏側から行う方法は、軽度の下垂などで、まぶたの状態が適している場合に検討します。

目を開ける機能とともに、二重の線や皮膚のかぶさり、目を閉じる機能にも配慮します。ご希望と診察所見を踏まえて、どの方法で何を改善するかをご説明します。

Point 2
グループ5院で年間12,086件の眼形成手術実績

オキュロフェイシャルクリニックグループでは、2025年1月1日から12月31日までに、東京・大阪・京都・千葉・新前橋の5院で、保険・自費を合わせて12,086件の眼形成手術を行いました。福岡院は、この診療実績を持つグループの一員です。

Point 3

切らない眼瞼下垂手術についてよくある質問

Q

1. 切らない方法なら軽い眼瞼下垂は誰でも治療できますか?

A

軽度でも、原因や挙筋機能、皮膚の余り、目の乾燥などによって適さない場合があります。見た目の程度だけで決めず、診察で確認する必要があります。

Q

2. 経結膜法とMMCRは同じですか?

A

同じではありません。経結膜法は裏側から行うアプローチを、MMCRはミュラー筋と結膜の一部を切除する術式を指します。裏側から行う手術がすべてMMCRというわけではありません。

Q

3. 切らない方法は必ず抜糸が不要ですか?

A

抜糸の有無は術式と糸の扱いによります。処置する場所、抜糸の予定、術後の再診日を事前に確認してください。抜糸がなくても、経過を確認する通院は必要です。

Q

4. 皮膚側の手術より後戻りしやすいですか?

A

切らないという呼び方だけでは比較できません。糸で縫い縮める方法、組織を切除する方法、腱膜を前転する方法では処置が異なります。予定する術式とご自身の状態に即して、再下垂の可能性を確認しましょう。

Q

5. 切らない方法にも保険が使えますか?

A

皮膚を切るかどうかだけで保険適用は決まりません。診断、治療の必要性、実際の処置内容などを踏まえて判断します。当院で医師を指名する場合は初診から自由診療となります。最新の費用は料金表をご確認ください。

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切らない手術が合うかは、まぶたの状態から判断しましょう

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年間1万2,000件以上の美容的眼形成手術の実績

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日本全国に6院グループ医院を展開

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大学病院含む1,281機関から紹介実績

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※ 東京・大阪・京都・千葉・新前橋の5院、2025年1年間での症例対応件数

切らない眼瞼下垂手術には、皮膚切開の傷を避けられる利点があります。一方で、実際の処置は術式によって異なり、皮膚のたるみや筋肉の力によっては別の方法が適しています。

当院では両目のバランスを確認し、皮膚側から切開する腱膜の修復を主軸に、機能と形を踏まえた手術を検討します。「傷が心配」「今の二重をなるべく保ちたい」などの希望もお伝えください。診察で適応と限界を確認し、ご自身に必要な治療を選びましょう。

切らない手術が合うかは、まぶたの状態から判断しましょう
 菊地 良

オキュロフェイシャルクリニック福岡 院長

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眼形成眼窩外科は国内の専門医が非常に少なく、診療体系が確立されていない分野です。私は鹿嶋友敬先生に師事し、これまで5,000件以上の手術を執刀してまいりました。国内外の学会で常に最新の知識をアップデートし、2021年には亀田総合病院で眼形成外来を設立するなど、一貫して専門医療の普及に尽力してきました。
この度、福岡の地で新たな一歩を踏み出します。九州の眼形成領域をリードし、地域の皆さまに親身に寄り添いながら、オーダーメイドな最善の医療を提供してまいります。

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